ホルモンは、身体の各器官に情報を伝達し、はたらきを刺激するもので、身体を正常に機能させるために欠かせないものです。
女性ホルモンは、視床下部で女性ホルモンの元となる性腺刺激ホルモンの分泌が指令されると、脳の下垂体で卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンを分泌し、卵巣を刺激します。そのはたらきで卵巣から2つの女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンが分泌されます。
女性ホルモンのうち、エストロゲンは女性らしさや健康関係に、プロゲステロンは子宮内膜の環境を整える役割があります。
女性ホルモンの分泌が乱れると肌荒れ、小じわ、にきび、乾燥肌、月経不順や腰痛、肩こりなどをひきおこします。また、精神的にもイライラしたり情緒不安定になったりします。
女性ホルモンは生理周期と連動して一定のリズムで変動します。
月経が終わったあとの1週間程は卵胞期といい、女性ホルモンのエストロゲンが増加して身体の新陳代謝が活発になり、肌のハリやツヤも増してきます。この時期に美肌プランやダイエットはじめると効果的です。
お肌のこと/お肌のトラブル
しわ
しわはしみやたるみと並んで最も気になる肌の老化現象のひとつです。
しわには、表情じわと乾燥によりおこるしわ、ちりめんじわなどと、くっきり溝がみざまれたしわなど、さまざまなものがあります。
表情じわは、わらったり悩んだり眉をひそめたりしたときにできるしわです。
乾燥によりおこるしわは、洗顔後、顔の表面がつっぱったり乾いたときにできる細かい放射状のしわです。
ちりめんじわは、目じりや目の下など目の周りにおこりやすいこまかいしわです。
しわは、よく動くところにできやすいので、目の周りや口の周り、眉間にできやすくなります。
また、病気やダイエットなどで急激に痩せたりした場合にもしわができます。
しわは、老化や乾燥、紫外線、表情をつくることなどが原因で、肌の弾力性が低下してつくられます。
肌が乾燥して皮膚の中の水分や油分が不足すると乾燥じわ、いわゆる小じわができます。
紫外線は、皮膚の奥の真皮にあるコラーゲンとエラスチンを破壊し、深いしわをつくってしまいます。一度壊れると元に戻らないので、紫外線には要注意です。
表情によってつくられるしわは、不安や緊張を取り除く、感情と表情の関係を意識することでつくる機会を減らすことは可能です。
ターンオーバー
ターンオーバーは、皮膚の新陳代謝のことです。肌は、表皮内の基底層で生まれた皮脂細胞がだんだん上に押し上げられ、古い角質つまりあかとなって剥がれ落ちていきます。健康な肌ならそのサイクルは約28日です。これは女性だけでなく男性の場合も同じです。
このターンオーバーのサイクルが乱れると、さまざまな肌トラブルを引き起こします。紫外線を防止しようと発生した大量のメラニンが、ターンオーバーのサイクルの乱れによって表皮に残ってしまうとしみを作る原因となります。
ターンオーバーのサイクルは早ければいいというものではなく、適正なサイクルを保つことが大切です。そのためには、十分な睡眠や栄養をとり、ストレスをためないようにし、適度な運動を心がけましょう。
色素沈着
色素沈着は、表皮の中にあるメラノサイトという色素細胞のはたらきによってつくられたメラニンが、外に排出されずに残ったり表皮の上に落ちて皮膚に沈着してしまうことです。
しみやそばかすも色素沈着の一つですが、一般に色素沈着と呼ぶ場合は皮膚になんらかの炎症が起きた後に色素斑ができてしまった場合をいいます。ニキビや吹き出物の跡、湿疹やかぶれの跡などです。
これらの色素沈着は早めに治療をしたり原因を取り除けば早く治ります。炎症をおこしたニキビ跡はなかなか治りにくく色素沈着も目立ってしまいます。早めに薬を使うか、病院で治療を受けた方がきれいに早く治ります。治療にはビタミンCを服用したりすることが多いようです。
皮膚のしくみ
皮膚は、大きくわけて表皮、真皮、皮下組織の3つの組織からできています。
表皮は、皮膚のもっとも表面にあるもので、角質層、透明層、類粒層、有棘層、基底層の5つに分かれます。
この中の角質層は水分保持を行うもっとも大切な部分です。また、基底層でつくられた表皮細胞がターンオーバーによってどんどん上へ押し上げられ角質層で剥がれ落ちていきます。
表皮の状態が問題なく保たれていると肌のうるおいも十分に保つ事ができます。
真皮は皮膚の本体で、肌の弾力性にかかわっています。ここにあるコラーゲンやエラスチンが断裂などを起こすと、しわができ、肌の老化を引き起こします。
皮膚のきめの細かさは皮溝という皮膚の表面の溝の幅や深さではかります。皮溝の幅や深さが適度でそろっている肌をきめの細かい肌といい、溝の幅や深さが均一でなくデコボコしているときめの粗い肌ということになります。