紫外線 UV

 夏が近づくと特に目や耳にすることが多くなる言葉『紫外線』『 UV』。
UV』はウルトラヴァイオレットの略です。
紫外線 UVは、お肌にしみしわをつくる最大の原因とされており、さまざまな防止策が考えられていますね。

 紫外線 UVは、波長によって分けられており、波長の長い方から、UVAUVBUVC真空紫外線となります。このうち地上に届く紫外線UVAUVBで、これがお肌にさまざまな影響を与えます。
肌が黒く日に焼けるのはUVAの影響でサンタン、日焼けで赤くなりやけどのようになったりするのはUVBの影響でサンバーンといいます。表皮のなかのメラノサイトが働いてメラニンが増えるとサンタンがおこります。
 
 紫外線 UVAUVBは、真皮のなかのコラーゲンやエラスチンを変性させたり壊したりして、お肌の弾力をなくし、しわをつくります。壊れた線維は元に戻ることはありません。
 また、紫外線 UVAUVBは、お肌にしみをつくったり、そばかすを濃くしたりします。そばかすの原因は遺伝的なものですが、紫外線 UVAUVBの影響を受けると表に現れてきます。

 紫外線 UVAは、夏に限らず一年中お肌に影響しています。ピークは5月から8月ですが、3月頃から強くなり10月頃まで続きます。冬でも夏の1/3の紫外線量なので油断は禁物です。特にスキーなどで雪の照り返しを受ける際は要注意です。
また、晴天の日はもちろんですが、曇りの日でも紫外線 UVAはしっかり影響しています。
 紫外線 UVからお肌を守ることは、そのままアンチエイジングすなわち老化を防止することになりますので、早いうちから充分に気を配りましょう。
 

しみ

 顔にできるしみは「肝斑」といい、その字のとおり肝臓の色に似ているところからついた名前です。
顔のしみは、ほおや口の周り、目の周り、額などにできることが多く、左右対称に現れます。
 顔のしみは、紫外線の影響で表皮のなかのメラニン色素が増えすぎて色素沈着してしまったものです。
 しみには、「肝斑」のほかに、にきびの跡色素沈着そばかすもありますが、臨床的には区別されています。にきび跡のしみは顔以外にもできますし、そばかすは遺伝的な要素でおこります。
 顔のしみは、だいたい20代後半から現れはじめます。若い頃は新陳代謝が活発なのでしみができにくいのですが、無防備に紫外線対策を怠っていると、排出されずに残ったメラニン色素が20代後半になって急にしみとなって現れることになります。
 日頃から紫外線対策に気を配り、ビタミンCなどを充分摂るようにし、なるべく早いうちからしみ予防を始めましょう。
ちなみにビタミンCは服用することで効果があるもので、レモンパックなどはかえってしみを作ってしまいかねないのでおすすめできません。

メラニン

 メラニンは皮膚の色を決定し、紫外線からお肌を守る働きをしています。
表皮の一番下の基底層の中の色素細胞であるメラノサイトが働いてメラニンを作り出します。そのメラニンがお肌から紫外線を防ごうとするとき皮膚が黒くなります。
 日に焼けてお肌が黒くなりやすい人となりにくい人がいるのは、メラニンを作る機能が人によって差があるからです。メラノサイトの数はみんな同じです。
 メラニンは、通常、表皮の新陳代謝とともに外へ排出されるので、日焼けしてもしばらくするともとのお肌の色に戻ります。
外に排出されないメラニンがあったり、表皮の上に落ちてしまうと、色素沈着をおこしてしみになります。
 しみを作らないためにも、普段からお肌の新陳代謝をよくし、何より不用意に紫外線を浴びすぎないように気を配りましょう。

老化(エイジング)

 一般に老化(エイジング)は20歳前半頃から始まるといわれています。
まず顔の部分で目に見えてくる老化(エイジング)現象は、くすみ、目のまわりのたるみや小じわ、黒ずみなどです。その他は、しみ、にきび跡、肌のきめが粗くなる、毛穴が目立つ、ほおのたるみ、二重あご、首のしわ、口元のしわなどがあげられます。

 肌の老化(エイジング)が進む原因は、紫外線や乾燥、皮脂分泌バランスの崩れなどです。適切な洗顔を行い、紫外線や冷暖房による乾燥から肌を守るよう、日頃からほんの少し気をつけるだけで老化(エイジング)を防ぐことができます。
肌に十分な水分を与え、正しいマッサージなどで血行を促してあげましょう。

皮膚のしくみ

 皮膚は、大きくわけて表皮、真皮、皮下組織の3つの組織からできています。

 表皮は、皮膚のもっとも表面にあるもので、角質層、透明層、類粒層、有棘層、基底層の5つに分かれます。
 この中の角質層は水分保持を行うもっとも大切な部分です。また、基底層でつくられた表皮細胞がターンオーバーによってどんどん上へ押し上げられ角質層で剥がれ落ちていきます。
 表皮の状態が問題なく保たれていると肌のうるおいも十分に保つ事ができます。

 真皮は皮膚の本体で、肌の弾力性にかかわっています。ここにあるコラーゲンやエラスチンが断裂などを起こすと、しわができ、肌の老化を引き起こします。

 皮膚のきめの細かさは皮溝という皮膚の表面の溝の幅や深さではかります。皮溝の幅や深さが適度でそろっている肌をきめの細かい肌といいます。